山口県下関市には、幕末の長州藩で活躍した高杉晋作の像があります。幕府に恭順していた長州藩の藩論を一変させるため、高杉が少人数で武装蜂起した「功山寺決起」は、維新回天の礎となった出来事として有名です。
その舞台である功山寺は下関市長府にあります。亡命先から戻って来た高杉は、あくまで幕府と戦い抜くべきだと主張し、わずか80人ほどの同志と共にクーデターを決行します。その日は大雪が降っていたそうです。
1992年秋、山口県へひとり旅に出かけた際、長府駅で途中下車しました。日も落ち、周辺は暗くなってきていましたが、どうしても功山寺を見学したかったのです。方向感覚がつかめない中で、なんとか功山寺を探し当てました。
そして門前に立った時、「ここが功山寺決起の地なんだ!」と身震いしたのです。高杉と同志たちが命懸けで蜂起し、それが維新回天につながったのだと思うと、言い知れぬ感動が込み上げてきました。境内は夜の暗闇で静けさに包まれていたのでした。
★功山寺のサイトです