旅には大小さまざまなアクシデントがつきもので、それもまた旅の醍醐味の一つです。ただ、後で笑って振り返られるものばかりではありません。旅行記の参考にするメモ帳を紛失して落ち込んだり、カメラがトラブルを起こしたこともありました。そんな中で、これから紹介するアクシデントは、まさに「最悪」の出来事でした(苦笑)。
2002年3月に四国の徳島県から高知県を巡った時の旅でした。2泊3日の2日目、念願だった室戸岬の散策が終わり、バスを待つ間、バス停近くにある自動販売機でパックのお茶を買いました。飲んだ瞬間、「不味い」と感じたのですが、のどが渇いていたこともあって全部飲み切ってしまいました。これが悲劇の始まりです。
バスの車中で腹の調子が悪くなり、昼食のため立ち寄った日帰り温泉施設でトイレに入ったら強烈な下痢に見舞われ、直後から腹が痛くなってしまったのです。途方に暮れた私は、這う這うの体になりながらようやく薬局を見つけて食当たりの薬を買い、そのままバスで高知市内に入り、宿泊先のホテルになだれ込みました。
高知市に泊まるのは初めてで夜の一杯を楽しみにしていたのですが、その夜口にしたのはコンビニで買ったおかゆとヨーグルトだけ。海の幸と地酒での楽しい夜は無残に打ち砕かれ、悔しい思いで床に就いたことを思い出します。幸い大事には至らず、翌日は少しずつ回復に向かっていったことだけが唯一に救いでした。