夜の一杯はひとり旅の重要なポイントです。アクシデントがあった約2年前はホテルでおかゆとヨーグルトという情けない夕食だっただけに、いつも以上に気合いを入れ(笑)、まずは土佐料理店でご当地グルメを堪能しました。
次に訪れたのが海鮮料理が楽しめる日本酒バーでした。私とそれほど年が離れていないマスターが一人で切り盛りしているバーで、観光情報誌でカツオの塩たたきを出す店と紹介されており、何も知らない私は来店していきなり注文を入れたのです。
ところがマスターは「今のカツオは冷凍もので、生でないから仕入れていない」と断ったのです。これが土佐男の代名詞「いごっそう」なのでしょう。そのきっぱりとした口調にかえって好感を持ち、酒と肴はマスターにお任せすることにしました。
この後、店には若い男女が次々と訪れ、旅行者である私とマスターも交えて大盛り上がりとなってしまったのです。とりわけ、はきはきと思ったことを言い切る客の女性に、土佐女の代名詞「はちきん」を重ね合わせていた私でした(笑)。
(追記)後日、マスターは若くして亡くなられ、店も今は閉店したようです。