noteとのコラボエッセイとして、毎月2回ペースで「なつかしの鉄道乗りある記」を連載します。このエッセイは、今は廃線となってしまった地方ローカル線や第三セクター路線の乗車体験記として綴っていきます。

なつかしの鉄道乗りある記「札沼線」第1話 - 旅人マイケルオズのニッポンひとり旅語り
「札沼線」第2話
札沼線の閑散区間は、比較的平坦地を走っているのにもかかわらず、列車の速度はずいぶん遅い。並行して道路が通っているが、後方からやってくる乗用車がどんどんと追い抜いていく。こんな光景はおそらく他に例を見ないだろう。
道路が真っ直ぐな北海道では車の速度が上がっていることも確かであるが、それでも列車が追い越されてしまうというのは、逆に言うと列車がとことん遅いということである。それが車両の性能のせいなのか、ダイヤの関係なのかは定かではない。
中小屋駅を過ぎたあたりから、どんどん雪が深くなっていくのがわかる。このあたりから旭川、名寄方面にかけては北海道でも積雪の多い地帯になる。
かつて深川と名寄を結んでいた深名線が、国鉄赤字ローカル線廃止対象になりながら、周辺道路の未整備によりしばらくの間営業を続けていたというのも、冬場の雪の多さや寒さの厳しさが影響していた。あるいはこのノロノロ運転も冬場対策なのかもしれない。
月ヶ岡を過ぎ、難読駅の知来乙(ちらいおつ)へ。駅名はいかにも北海道らしいが、駅そのものは小さい無人駅。貨車を利用した待合室を持つ駅も多いが、いずれもうら寂れた感じは否めない。
積雪の多さは駅のホームにもあらわれており、列車が止まるスペースだけは除雪してあるが、あとは積もり放題といったところ。どこからがホームなのか分からないような駅すらある。冬場の苦労がしのばれる。
やがて、石狩月形駅へと到着する。この駅はほとんど唯一といっていいほどの列車交換ができる駅であり、私が乗った列車も17分という長時間の停車を余儀なくされる。
乗客の3分の2がこの駅で下車。残った数人の中には、私も含め明らかに鉄道マニアらしい人もいるため、地元住民はごくわずかといっていい。
左右の座席へ移動できるよう座席を後方に移す。そして、停車時間中に列車の全景写真などを撮影する。列車自体はとくに珍しくもない平凡なものであるが、雪景色の小さな駅にぽつりと止まっている光景はそれなりに絵になる。
対向列車がやってきたが、やはりほとんどお客は乗っていないようだ。列車交換をしてさらに北上する。ここから少しの間は、平野部から離れて丘陵のような場所を走る。もちろん周囲に人家などは見当たらない。札沼線のなかでも雰囲気の違う車窓を見ることができる。
そんなうっそうとした林間にポツリとあるのが豊ヶ丘駅。秘境駅として紹介されているほど、周囲にはまったく人家が見当たらない。掘っ立て小屋のような待合室がぽつりとあるだけだ。
豊ヶ丘を過ぎると、再び平野部へと戻る。あとは終点の新十津川までは平野部の真っ只中を走るという感じで線路が延びていく。
途中にある駅も、札比内、晩生内(おそきない)、札的と北海道らしい駅名が続く。ほとんどの人が読めないであろう難読駅名の晩生内も、雰囲気のある駅舎が残っており、思わず途中下車したくなるほどだ。
ただ、列車本数が少ないので車窓から眺めるだけにとどめておいた。
(つづく)
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★このエッセイは、ホームページ「旅道楽ノススメ」に掲載した鉄道乗車レポートをリメイクしたものです。
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