noteとのコラボエッセイとして、毎月2回ペースで「なつかしの鉄道乗りある記」を連載します。このエッセイは、今は廃線となってしまった地方ローカル線や第三セクター路線の乗車体験記として綴っていきます。
★前回までご紹介した高千穂鉄道編
なつかしの鉄道乗りある記「高千穂鉄道」第1話 - 旅人マイケルオズのニッポンひとり旅語り

「下北交通大畑線」全1話
下北交通大畑線は、下北半島真ん中付近にある大湊線下北駅から北上し、大畑駅までの約18キロを運行していたローカル線である。
赤字路線だった旧国鉄大畑線を地元バス会社の下北交通が引き継いだものの、車両や施設の老朽化に対応できず、2001年に廃止された。
私が乗車したのは1999年夏だったので、ギリギリ廃線に間に合った形だ。当時から鉄道に乗ることは好きだったが、それほど大畑線には関心がなく、単に「半島を北上するための交通機関の一つ」という感じにとらえていた気もする。
むつ市内のホテルに宿泊した私は、ホテルからのシャトルバスで田名部駅へ。ここから下北交通に乗って終点の大畑へと向かう。
本当なら昨日、下北駅から田名部駅まで乗っていたところだったが、時間が無かったのでタクシーを使ってしまった。2年後に廃線になるとは夢にも思わなかったので、残念なことをしたものだ。
田名部駅を出発する列車は、旧型の車両でまさにローカル色たっぷり。昔ながらの木の床で、今流に言い直せばフローリングということか。
切符も昔ながらの厚紙。土地の言葉が飛び交う光景。そして、期待を裏切らないのんびりとした運行。こうした列車は旅の情緒にはぴったりだ。
そうこうしているうちに列車はゆっくりと大畑駅に到着。ここは本州最北の駅である。最北というと、なんだかこれより先がないという物寂しさを感じるものだが、大畑駅はそうでもない。
駅前がバスターミナルになっていてむつ市行き、佐井(大間方面)行き、薬研方面行きのバスが発着している。列車としては終点であっても、場所的には観光地を抱えた下北半島の中継地点という感じが強い。
私もここでバスに乗り換えて大間方面へと向かうことにしており、乗り換えに少々時間があったのでキオスクでパンを買い、ひとまず朝食をとる。
近くには「大畑イカ祭り」と書かれたイカのイラスト入りの看板があった。どうやらイカは最盛期を迎えているようだ。「昼食はイカだな」と内心ほくそ笑んだ私であった。
(おわり)
※2025年のエッセイは今回で終了します。引き続き2026年もよろしくお願いいたします。
★このエッセイは、ホームページ「旅道楽ノススメ」に掲載した鉄道乗車レポートをリメイクしたものです。
★マイケルオズのnote