土讃線で四国山地に分け入り、大歩危駅からバスでさらに山深く入ったところ、切り立った山々の間を祖谷川の渓谷が流れています。この深い谷に架けられているのが、日本三奇橋のひとつ「かずら橋」です。
シラクチカズラという、つる性の植物で編み上げたかずら橋は、山峡に暮らす人々の生活の知恵が生み出した結晶と言えます。平家の落人伝説では、追っ手から逃れられるよう、切り落とすことができる橋を架けたのだとされています。
水面からの高さは14メートルあり、普通の橋を渡っていても怖さを感じる高所恐怖症の身とすれば、かずら橋は木材をカズラで編み上げただけの簡素な造り、しかも足元がスカスカで川面が見えるというのは恐怖しかありません(苦笑)
それでも、ここまで来たのに渡らないのももったいないと思い、おそるおそる、底板を慎重に踏みながら進んでいきました。他の人がチョット動くだけで、ユラユラと揺れるかずら橋。全長45メートルの橋がとても長く感じられました。
渡っている最中は、無我夢中というか必死だったので、周りを見る余裕などありませんでしたが、かずら橋周辺は祖谷峡の見事な景観が広がる絶景。観光地化されている面は否めませんが、第一級の秘境であることには間違いありません。
三好市の観光サイトでのかずら橋紹介です