旅人マイケルオズのニッポンひとり旅語り

全都道府県を巡り歩いた旅人が、ひとり旅で訪れた旅先の素晴らしさ、楽しいエピソードなどを紹介し、併せて旅の情報やノウハウも語っています

いつまでも見続けていたい海と共に生活する人々~広島県尾道市

私のひとり旅は長くても3泊4日で、仕事の状況もあり、たいがい1泊2日という日程を組まざるを得ません。そのため、旅先の一つの目的地でのんびり過ごすことはめったにないのです。ところが、広島県尾道市だけは違っていました。

尾道市は、映画監督の大林宣彦さんが「尾道三部作」と銘打った青春映画をロケした地で、大林さん自身の出身地でもある尾道の街並みや景観が、名画のバックグラウンドとして描かれています。その一つが市街地と対岸の向島を結ぶ渡船です。

橋で結ばれているとはいえ、徒歩や自転車で通学する学生たちや高齢者らの大切な生活の足となっているのが渡船。人々や車両を乗せては出航し、別の船が帰港すると人々は下船し、それぞれの目的地へ向かう・・・その繰り返しです。

尾道三部作」でも、渡船のシーンが印象的に映し出されており、桟橋でぼんやりと渡船を眺めていると、まるで大林ワールドに入ってしまったかのような雰囲気に。時間を忘れて、ただひたすらに光景を眺めていたものです。

尾道での2日間、何回か渡船に乗りましたが、印象に残っている出来事があります。市街地に魚介類を売りに来る「晩寄」という屋台を引く老夫婦がいました。二人が渡船に乗り込んだので、私もついふらふらと乗ってしまいました(笑)