北海道の帯広地方とオホーツク地方を結んでいた第三セクターのローカル線「ちほく高原鉄道」が2006年に廃止されてから15年が経ちました。その前年、この鉄道に乗るためだけの目的でひとり旅をしたのです。
始発駅の池田駅で根室本線から乗り換え、銀河鉄道999をイメージしたラッピング列車に乗り込んだ時、久々の列車旅にワクワクしました。オホーツク側の起点である北見駅まで往復、途中下車を繰り返しながら2日かけて巡りました。
とくに印象に残っているのは、分水嶺に近く、秘境駅としても人気が高かった川上駅。人家も何にもない山間の中に、ポツンと駅舎が建っている風景は旅情をかきたてたものです。列車待ちの約1時間半、駅舎や周辺でのんびり過ごしました。
川上駅は国道沿いにあるため、当時から車でのアクセスの方が非常に便利でした。木造の駅舎が撤去され、鉄路が廃止された駅に、あの時の旅情を求めるのは難しいかもしれません。それでも、この地のロケーションは抜群です。
このほか、駅舎としても文化財的価値があった上利別駅や、原野にホームだけ設けられていた塩幌駅など思い出は尽きませんが、廃止15年も経てば、鉄道の痕跡もどんどん無くなってしまうでしょう。それでも、ぜひ再来訪してみたいものです。