全国に「さいはての地」と呼ばれる場所がいくつかあります。北海道では、納沙布岬(最東端)、宗谷岬(最北端)などが有名ですが、納沙布岬と同じ根室市にある落石岬は、メジャーな場所ではありません。しかし、さいはて感はトップクラスです。
私が落石岬を訪れたのは1997年の夏。JR根室本線の落石駅を早朝降り立ち、片道4キロ以上の道のりを歩き、落石集落の人家が途切れた丘陵地が岬でした。当時、霧が立ち込めて薄暗く、夏なのに寒かったことを覚えています。
朝ということもあり、岬周辺には誰一人居ません。落石岬湿原の中を真っすぐ突き抜けている木道は、まるでそのまま太平洋に飛び込んでいくかのよう。まさに、さいはての地にふさわしい絶景で、思わず「素晴らしい」と口にしてしまいました。
人の営みは全くなく、訪れる人もいない静けさに包まれた岬で、私の目の前にエゾシカが現れたのです。根室本線の車窓からもエゾシカが見られましたが、間近で見るのは初めてだったので、とても感動的だったことを覚えています。
落石岬にはサカイツツジという国天然記念物の花が咲いています。私は時期外れだったのでお目にかかれませんでしたが、5月下旬から6月にかけて咲くそうなので、チャンスがある方はぜひ訪れてみてください。
★根室振興局の落石岬紹介のページです
www.nemuro.pref.hokkaido.lg.jp