「本土最東端の地」である納沙布岬を目指して、根室駅からバスに乗ります。今回の旅の目的地とも言える場所で、2年前に訪れた最北端の地・宗谷岬の時と比べ、どんな感動が持てるのか楽しみでした。
しかし、納沙布岬で感じたのは、感動よりも海を隔てて肉眼でも見える北方領土への思いでした。北方館望郷の家という施設には望遠鏡があり、歯舞群島にあるロシアの監視塔や警備艇の姿がはっきりと見えました。
せっかくなので根室の海の幸も楽しみたいと思い、レストランでカニ定食をいただきました。その付け合わせに出てきた昆布の佃煮がとても美味かったのですが、これも北方領土周辺で漁期を限って獲れる昆布だということです。
島影が肉眼で見れたことについて、お土産屋のおじさんに「天気が良くて運がいい」と言われましたが、さらに「いくら近くても、あれは外国だからなあ」とつぶやいた言葉が強く印象に残ったのです。旅行から20年以上たっても、まだ解決していません。