小島鹿之助は、小野路村(現町田市)の名主で、試衛館時代から近藤勇と親交があった人物です。近藤が村へ剣術の指導に行き、少し年上だった鹿之助が近藤に漢学を教えていたそうで、土方歳三や沖田総司とも面識があったと思われます。
それまで映画などではクローズアップされませんでしたが、「新選組!」で小野武彦さんが演じた鹿之助は印象に残っています。新選組が京都で活躍していた際に、近藤らと多くの書簡を交わすなど、良き理解者でもありました。
鹿之助の子孫の方が、生家を資料館として公開しています。ここには、近藤の妻が縫った「髑髏(どくろ)の稽古着」や、近藤のさらし首を伝える瓦版、さらには近藤、土方、沖田らの書簡も大切に保管されています。
旧小野路村周辺は、昔ながらの宿場や多摩丘陵の豊かな自然が残されており、東京都内とは思えないような、のどかな風景が広がっています。この地では「新選組」の近藤局長ではなく、「試衛館」の近藤先生に思いを巡らせたいですね。