旅人マイケルオズのニッポンひとり旅語り

全都道府県を巡り歩いた旅人が、ひとり旅で訪れた旅先の素晴らしさ、楽しいエピソードなどを紹介し、併せて旅の情報やノウハウも語っています

大河ドラマを旅する~2014年「軍師官兵衛」~有岡城と運命を共にした武将の妻

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荒木村重の居城だった有岡城(2014年)

2014年放送の大河ドラマ軍師官兵衛」は、豊臣秀吉の軍師だった黒田官兵衛の生涯を描いた作品です。その官兵衛が人生最大の苦難に陥ったのが、織田信長を裏切った荒木村重によって幽閉された有岡城伊丹城)での1年間でした。

その村重には、だしという奥方がいました。信長の祐筆である太田牛一が書いた信長公記では、秀吉の時代まで生き延びた村重とは対照的に、反逆の一族として処刑されただしを哀れむかのように、彼女の歌や最期の様子が記録されています。

大河ドラマでは、だし役の桐谷美玲さんが誇り高き女性を演じていましたが、それはドラマの演出ではなく、信長公記で太田が見記した当時そのままのだしの姿だったのです。太田は、美女だっただしの悲運に思いを寄せて書いたのだろうと察します。

だしが残した歌には、「自分の身には未練がないが、残された子供を思うと悲しい」と、率直な気持ちが綴られています。大切な人を思う気持ちは、時代に関係ないのだなあと、胸が張り裂けるような思いを持ちました。

蛇足ですが、新型コロナウイルスで大切な人を失わないよう、みんなが最善を尽くさねばなりませんね。 マイケルオズ