新選組で近藤勇を支え、鬼の副長と恐れられていた土方歳三。彼が生まれ育ったのは多摩川のほとりにある石田村(現在の日野市)です。豪農の出身ですが跡取りではなかったので、行商をしたり、奉公に出たりと苦労をしてきたといいます。
年齢の近い近藤から剣術を教わった縁で、試衛館の食客として共に過ごすようになります。その頃から、近藤が絶対的な信頼を置いた同志だったのでしょう。新選組ではダーティーな部分もかなり引き受けていたように見受けられます。
土方が本当の真価を発揮できたのは、流山で近藤と別れ、東北や函館で新政府軍と戦っていた頃ではないかと思います。函館では、非常に優秀な司令官というだけでなく、部下に慕われていたとも言われ、幕府軍の要となっていました。
有名な肖像写真も、函館時代にわざわざ撮影し、それを部下に持たせ実家に届けさせました。俳句を詠むのも好んでいたとされ、スタイリストであり風雅人である土方歳三の側面を見るのも楽しいでしょうね。