「フグは食いたし、されど猛毒は怖い」なんて言われていた時代もありますが、今は免許を持った調理師がさばいたフグを安心して食べることができます。ただし、猛毒がある内臓を食べることはご法度とされています。
1997年冬に石川県金沢市の近江町市場で、フグの卵巣(真子)の糠漬けを売っていて驚いた経験がありました。糠に長期間漬けることで無毒化されるという生活の知恵から生まれた珍味だと聞いていましたが、さすがに手は出ませんでした。
その珍味に旅先でお目にかかったのは、2006年11月の能登半島への旅で輪島市の居酒屋に立ち寄った時。何に気なしに「フグの真子」を注文したのですが、それが卵巣の糠漬けだと分かり、おそるおそる口にしてみたのです(笑)。
まずは猛烈にしょっぱいというのが第一印象で、そのあとはカラスミに似たような舌触りだったことを記憶しています。ちなみに市販品はすべて検査済みとのことで、フグ刺しやてっちりと同じように安心して食べられる珍味となってます。