かつて本州と四国を結ぶ大動脈だった「宇高連絡船」。岡山県玉野市の宇野港と香川県高松港を結ぶフェリーで、旅行者にとっては四国へいざなう旅情をかりたて、四国から大阪や東京に就職する若者たちの夢を乗せて運航されてきました。
私がひとり旅を始めたころにはすでに瀬戸大橋線が開業しており、岡山からのアクセスが抜群によくなったため、旅程で宇高連絡船を使うという選択肢はありませんでした。2015年のひとり旅でようやくフェリーに乗船することができたのです。
1時間ほどの船旅でしたが、見慣れた瀬戸内の島々の光景を眺めながら海風に当たっての乗船は気持ちよく、とくに台状の島影が特徴的な屋島が徐々に近づいてくると、「いよいよ四国に渡るのだなあ」との期待感が膨らんできました。
宇高連絡船の時代に「連絡船うどん」として名物だったうどん営業もありましたが、今回は昼食後だったこともあってパス。代わりにうどん県(香川県)のピンバッチをお土産に買い求めました。今は「ローカル線」となったフェリーですが、いつまでも続いてほしいものです。